英語の音読習慣が会話力にも直結
今回は、趣向を変えて、子どもの英語の会話力(スピーキング)について考えます。
英語の会話力は後からついてくるもの
英語での会話(幼い場合は発話)は、実は、子どもの英語の土台が育っていく過程で、その時々の段階に応じて、自然にできるようになるものです。
条件がそろえば(または、必要が生じたら)、おのずと湧き出てくるものともいえます。
(この「条件」については、後半で具体的に説明します)
その様子を見ていると、コップの中に、水を少しずつためていき、あるとき、コップがいっぱいになって、溢れ出すかのようです。
したがって、会話練習だけを行っても、あまり役に立ちません。
本当の意味での会話ができるようにはなりません。
子どもに「英会話ができる」ようになってほしいと考える親はとても多いです。
そのような親が取るべきアプローチは、子ども自身が、英語で話そうと思ったときに、それが自然とできてしまうようなベースを作り上げておくことです。
会話の前提となる3つの力
英語で会話するとき、3つの力が前提条件としてあります。
- 英語の音の習得
- 意味の理解
- 組み立てる力
1の「音の習得」は、発音のほか、音の連なり方、リズム、イントネーションに子どもの耳が馴染んでいて、聞き取ることができて、そっくりマネをして発することができる状態です。
2の「意味の理解」は、1で聞き取った音を、英語のまま、言葉として、または言葉の連なりとして、子どもが受け取って意味を理解する力です。
3の「組み立てる力」は、2で受け取った内容に対して、子どもが自分の反応を言葉にして組み立てる力です。
そして最後に、再び1の「音の習得」を使って、自分の反応を英語の音で発することで、ようやく会話が成立します。
拠りどころとなるのは言葉の蓄積
3つの力を発揮するには、子どもの頭の中に、拠りどころとなる英語の
- 音
- ことば
- かたまり
が、たくさん蓄積されていなければなりません。
子どもは、蓄積されたものを参照しながら、
- 音を聞き、
- 意味を理解し、
- ことばを発する
のです。
蓄積されたものは、音と結びついていたり、そのことばと出会ったときのイメージや体験とリンクしていたりします。
この段階では、それぞれが整理されている必要はなく、積みあがっていれば十分です。(したがって、大人が一つひとつ取り上げて説明することは不要です)
蓄積を築くための音読練習(インプット+音を発する練習)
上で述べた、3つの力を訓練することで、会話ができるようになります。
3つの力は、「音読練習」を行うことでを鍛えることができます。
このように、ことばの蓄積を作っていくことを意識しながら、音読習慣を続けたいものです。