小学生の英語音読 実践編
前回 ↑ は、英語音読をお勧めする背景や効果について説明しました。
次に、具体的な取り組み方法について考えます。
小学生が英語音読に取り組むときのポイント
言うまでもなく、親がそばについて、子どもの音読をしっかり聞くことが大切です。
英語音読といっても、特別なことはありません。
とはいえ、母語である日本語に比べると、
- 英語の音を聞いた経験が乏しい
- 英語の音を発する機会がない、または少ない
という面があるので、
- お手本の英語音声をよく聞くこと
- 英語の音の発し方を学ぶこと
に重点をおきます。
1日あたり、わずかな時間、例えば、最初は、5~10分で十分です。
当然ながら、あまり間隔をあけず、なるべく毎日続けた方が、定着しやすく、上達していきます。
英語音読に使う本
ネイティブ音声のある本
音読に使う本は、絵本にしても、eブックにしても、テキストにしても、お手本となるネイティブ音声があるものを選びます。
その子にとって、簡単すぎるくらいのレベルと内容のものから始めます。
英語レッスンで使用しているテキスト
すでに何らかの形で英語レッスンを受けている場合は、レッスンで使用しているテキストを音読することをお勧めします。
レッスンの予習・復習になり、レッスンの効果が何倍にもなるはずです。
小学校の英語の教科書について
小学校の英語の教科書は、残念ながら、音読の素材として使えません。
小学校の「外国語」授業では、英語の文章を読むことは、ほぼ想定されていないからです。
- 3~4年生の「外国語活動」
- 5~6年生の教科としての「外国語」
どちらの教科書も、イラストや写真が大半を占め、単語はともかく、センテンスの記載はかなり限定的です。
音読練習に向いている絵本の例
参考までに、年長~小学校低学年向きの絵本をいくつかあげます。
良く知られた名作絵本ばかりを選びましたが、子どもによって好き嫌いがあります。
まずはYouTubeなどで、どんな内容のものか確認することをお勧めします。
今は、公立図書館でも英語の絵本を所蔵していたり、取り寄せができたりするところも増えていますので、ぜひ調べてみましょう。
- Biscuit Goes to School by Alyssa Satin Capucilli
- Brown Bear, Brown Bear, What Do You See? by Bill Martin Jr / Eric Carle
Brown Bear Brown Bear What Do You See? - YouTube - Big Bear, Small Bear by The Berenstains
- Maisy's Bedtime by Lucy Cousins
- Can I Play Too? by Mo Willems (An Elephant & Piggie Book)
Can I Play Too? by Mo Willems | An Elephant & Piggie Read Aloud - YouTube
- Cookie's Week by Cindy Ward
- David Goes to School by David Shannon
- Hi! Fly Guy by Tedd Arnold
音声付き英語絵本アプリ
電子ブックに抵抗がなければ、リーディング練習を目的としたアプリを利用しない手はありません。
レベル別に、豊富な冊数があり、絵本選びの手間が省けます。
また、読み上げ音声はもちろん、録音や音読練習の機能がついているものもあり、音源の管理も不要になります。
音読練習に便利なアプリをいくつか挙げておきます。
- Kids A-Z(アメリカ英語。個人契約は高価、通常はスクールなどを通じて利用)
- Oxford Reading Club(イギリス英語、本によってアメリカ英語も。900円/月~、有名なイギリスの教科書Oxford Reading Treeも全冊読める)
- FarFaria(アメリカ英語、アプリをダウンロードすれば1日1冊が無料で読める)
- Little Fox (アメリカ英語、$25/月~アニメ動画の元の絵本が読める)
FarFariaの絵本の例:
Little Fox のBook機能:
読み上げられている単語がハイライトされるので、目で追いやすいです。
親による読み聞かせについて
ここまで、お手本となるネイティブ音声を使うことを前提に説明してきましたが、
親による読み聞かせを否定するものではありません。
実際、Minnie家でも、Lucasが年長から小1くらいまで、寝る前に、英語絵本を読み聞かせしていました。
大事なことは、継続することです。
読み聞かせの唯一の問題は、継続することが難しくなってしまうことです。
週に一度など、できるときに行うというスタンスでは、どうしても量が不足します。
日本語の絵本と同じように、英語の絵本も、親子で楽しむ時間を持っておくと、子どもが成長したときに、必ずや、よい思い出になると思っています。
音読の取り組みの手順
その1:音声をよく聞く
お手本音声を聞くとき、特に最初は、覚えてしまうくらい、繰り返し聞かせるのがコツです。
本の挿絵を見ながら、音を聞いたり、音だけをかけ流したりします。
その2:音を文字に結びつける
次に、文字を見ながら、聞きます。最初は、音声に合わせて、親が指さしします。
または、アプリを利用していて、読み上げられている部分が見えれば、それを一緒に目で追います。
この段階で、子どもによっては、いわゆる「フォニックス」や「サイトワーズ」などの取り組みをプラスすることで、習得のペースが上がる場合もあります。
が、必ずやらなければいけないものではありません。
その3:文字をたどりながら、声に出してみる
子どもに自信ができてきたら、マネをして、少しずつ声に出してみます。
全くの初心者(=「聞く練習」も始めたばかり)の場合は、声に出すことは急がないようにします。
開始するタイミングが、小学校の中学年、高学年である場合、日本語ではすでに読書ができる状態なので、「聞く」練習に並行して「読む」の練習を導入することで、能動的に英語の音を聞くことができ、習得が早まります。
短い文を音読していくうちに、文のつくりなどが吸収されていきます。子どもは、文法の説明がなくても、音とことばの連なりを丸ごと吸収していきます。
効果は抜群ですので、ぜひ試してみてください。
今回の内容はここまで、です。
音読の取り組みは、「超シンプル英語育児」でも大事な部分なので、今後も説明を加えていきたいと思っています。
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最後までお読みくださりありがとうございます。