英語は技能、楽器やスポーツと同じ
親として、子ども(乳児・幼児・小学生)の英語習得を考えるとき、英語は技能という視点を大切にしたいものです。
英語は体得するもの
英語は言語。言語は技能。
幼い子どもにとって、感覚から入るもの、体得するもの。絵を描いたり、ボールを投げたりすることと、同じ。経験を重ねることで、獲得していくもの。
「技能」は「知識」とは違うし、「技術」とも違う。「教科」でもなければ、「才能」でもない。
ともすると英語は「特別視」されがち。でも英語は「特殊」な技能でも何でもない。ピアノやサッカーと変わらない。
このように考えていくと、子どもの英語習得について悩んだときに、おのずと進むべき方向が見えてくるのではないでしょうか。
練習と継続が肝心
英語は技能という視点に立つと、次のことが言えます。
- 「練習」が必要
- 「練習」をすれば必ず上達する
- 「練習」の継続が肝心
英語習得では、第一のステップは耳を育てること。この場合は「英語の音をたくさん聞く」ことが、立派な「練習」になります。
言語は「才能」ではないので、「練習」をすれば、日本語が分かるようになるように、英語も分かるようになります。
ただ、技能の習得には、時間がかかります。
そのため、継続することが肝心です。
継続は、子どもの力だけではできません。そこで親の出番です。
親が、環境を整えて、「練習」が継続するようにサポートするのです。
英語育児というアプローチ
親が、しっかり関わり、サポートする。
教材まかせ、教室まかせでは、なかなかうまく行かない。
子どものことを一番よく理解している親が、もっともっと関わる。
そうすれば、子どもの持ってうまれた力や個性が発揮されて、英語という技能も、他の技能と同じように、必ず上達していきます。
「英語育児」とは、技能を感覚的に吸収することに長けている子どものうちに、母語である日本語に加えて、英語にも日常的にふれるための工夫を重ねる。
そういう取り組みだと考えています。
日本語も技能
ついでながら、日本語も技能と言えるのではないでしょうか。
子どもの英語習得について語るときに、「国語が先」「子どもに英語は不要」などの意見がみられます。
英語に取り組むと、日本語は衰えるのでしょうか。
英語に取り組まなければ、日本語は伸びるのでしょうか。
母語が優先なのは、言うまでもありません。
思考する言語である母語が、先行して発達してこそ、母語ではない英語も、できるようになるのです。
英語はあくまで技能の一つ。
日本語が心配なら、日本語をもっと育てたいなら、日本語の技能を鍛えるのみです。